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最新の論文の内容がプレスリリースで紹介されました
先日投稿した論文が、静岡大学、高知工科大学、東京科学大学よりプレスリリースにて紹介されました。
光を消すと結晶がジャンプする新現象を発見 - 光と熱、2つの刺激の相乗効果で実現-|新着情報|静岡大学https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=11086
論文URL DOI: 10.1021/jacs.5c04563.
プレスリリースが紹介されたニュース記事
・静岡大ら,光を消すと結晶がジャンプする現象を発見|OPTRONICS ONLINE
https://optronics-media.com/news/20250708/101383/
・光を消すと結晶がジャンプする新現象を発見~光と熱、2つの刺激の相乗効果で実現~ | テック・アイ技術情報研究所
https://tiisys.com/blog/2025/07/08/post-171104/
・静岡大学研究シーズ Discovery Saga
http://smallworld.jp/discovery_saga/press_release/article/202507081046101.html
・ガジェット通信 彩恵りり
https://getnews.jp/archives/3637782https://x.com/getnewsfeed/status/1947990086844555423

研究室ツアー&懇親会
来年度に、研究室に配属することになる化学科学部3年生の学生全体に向けて、化学科の全研究室が参加し研究室ツアーを行いました。
我々は、研究内容の説明に加えて、実際に発光性メカノクロミズムを体験してもらうい、いいリアクションをしてくれました。


RESEARCH
本研究室では、刺激応答性の分子材料の開発を行います。特に分子結晶や液晶・ゲルなど集合する有機分子や錯体を研究対象としています。これまでに知られていない応答性を明らかにし、分子の持つ未知の機能を世の中に提案することを目指し研究を行っています。

刺激応答性を示す分子材料
有機化合物や錯体などの分子が集合し結晶や液晶として組織化すると、分子単独の場合とは異なる物性や性質を示す。これは、分子が分子間相互作用を介して集合し、相互作用の種類や方向性、強さによって電子状態が影響を受け変化するためである。すなわち、分子は集合することで、集合状態に特徴づけられた物性・性質を示すようになる。また、温度変化、光照射、物理的な応力の印加、など、分子材料に何らかの刺激を与えることで、分子の集積状態、配列様式が変化することがある。その結果、分子材料は様々な物性・性質の変化(応答)を示す。我々はこのような分子材料のもつ刺激応答性に着目して、研究を行っている。

スケールギャップの橋渡し
分子材料に対して、物理的な応力を印加すると、発光色の変化、電気伝導特性の変化、集合様式の不斉環境の切り替わり、といった応答を示すことを、これまでに明らかにしてきた。この応答の要因は、実験者によってなされるマクロな外部刺激が、ミクロな分子配列や分子間相互作用のパターンに影響を与えた結果である。我々の研究では、ミクロな分子配列を正確に決定することにこだわり、マクロな刺激に対してどのような影響を受けたのかを明らかにすることを目指している。マクロとミクロを橋渡し、応答原理の理解と未来に向けた材料設計指針の提案を目指している。
Publications
2025
T. Seki, T. Okada, M. Ikeda, K. Yamamoto, S. Hayashi, Y. Kishida, H. Uekusa,
J. Am. Chem. Soc., 2025,
DOI: 10.1021/jacs.5c04563.

T. Seki, A. Yano,
Eur. J. Inorg. Chem., 2025, 28, e202400793
DOI: 10.1002/ejic.202400793.

T. Seki, R. Ishikawa,
Chem. Eur. J., 2025, 31, e202404241
DOI: 10.1002/chem.202404241.

2024
T. Seki, T. Okada,
Chem. Eur. J., 2024, 30, e202402622
DOI: 10.1002/chem.202402622.
