NEWS
Pance Naumov 先生とのディスカッションと講演会
分子結晶の分野で最も有名な研究者の一人、Pance Naumov先生(ニューヨーク大学アブダビ校)に当研究室を訪問して頂きました。
第32回有機結晶シンポジウム
10月26日,27日に東京科学大学で行われた第32回有機結晶シンポジウムに参加しました。
M1の石川君が口頭発表、池田君がポスター発表を行いました。
昨年に引き続き、有機結晶分野の最先端の研究に触れることができ、とても有意義な時間でした。
来年、信州大学で開催される第33回でも最新の研究成果を発表できる様、日々頑張っていきましょう。
第14回CSJ化学フェスタ2024にて6件の発表を行いました
10月22日~24日の3日間、タワーホール船堀で行われたCSJ化学フェスタ2024に参加し、最近の研究成果を発表しました。研究室からも5名の学生がポスター発表を行いました。
「産学官の交流」や「化学の社会への発信」が趣旨ということもありノーベル賞の解説やAI技術の活用、カーボンニュートラルなどの環境問題についてなど普段は聞けないようなユニークな講演が多くとても勉強になりました。
RESEARCH
本研究室では、刺激応答性の分子材料の開発を行います。特に分子結晶や液晶・ゲルなど集合する有機分子や錯体を研究対象としています。これまでに知られていない応答性を明らかにし、分子の持つ未知の機能を世の中に提案することを目指し研究を行っています。
刺激応答性を示す分子材料
有機化合物や錯体などの分子が集合し結晶や液晶として組織化すると、分子単独の場合とは異なる物性や性質を示す。これは、分子が分子間相互作用を介して集合し、相互作用の種類や方向性、強さによって電子状態が影響を受け変化するためである。すなわち、分子は集合することで、集合状態に特徴づけられた物性・性質を示すようになる。また、温度変化、光照射、物理的な応力の印加、など、分子材料に何らかの刺激を与えることで、分子の集積状態、配列様式が変化することがある。その結果、分子材料は様々な物性・性質の変化(応答)を示す。我々はこのような分子材料のもつ刺激応答性に着目して、研究を行っている。
スケールギャップの橋渡し
分子材料に対して、物理的な応力を印加すると、発光色の変化、電気伝導特性の変化、集合様式の不斉環境の切り替わり、といった応答を示すことを、これまでに明らかにしてきた。この応答の要因は、実験者によってなされるマクロな外部刺激が、ミクロな分子配列や分子間相互作用のパターンに影響を与えた結果である。我々の研究では、ミクロな分子配列を正確に決定することにこだわり、マクロな刺激に対してどのような影響を受けたのかを明らかにすることを目指している。マクロとミクロを橋渡し、応答原理の理解と未来に向けた材料設計指針の提案を目指している。
Publications
2024
T. Seki, T. Okada,
Chem. Eur. J., 2024, 30, 53, e202402622
DOI: 10.1002/chem.202402622.
T. Seki, S. Kobayashi, R. Ishikawa, K. Yano, T. Matsuo, S. Hayashi,
Chem. Sci., 2024, 15, 12258–12263
DOI: 10.1039/d4sc02918f.
T. Seki, K. Hattori,
RSC Adv., 2024, 14, 11, 7258–7262
DOI: 10.1039/d3ra08519h.
2023
T. Seki, D. Korenaga,
Chem. Eur. J., 2023, 29, 62, e202302333
DOI: 10.1002/chem.202302333.