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Research

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刺激応答性材料の開発

有機化合物や錯体などの分子が集合し結晶や液晶として組織化すると、分子単独の場合とは異なる物性や性質を示します。これは、分子が分子間相互作用を介して集合し、相互作用の種類や方向性、強さによって電子状態が影響を受け変化するためです。すなわち、分子は集合することで、集合状態に特徴づけられた物性・性質を示すようになるわけです。また、温度変化、光照射、物理的な応力の印加、など、分子材料に何らかの刺激を与えることで、分子の集積状態、配列様式が変化することがあります。その結果として、分子材料は様々な物性・性質の変化(応答)を示します。我々はこのような分子材料のもつ刺激応答性に着目して、研究を行っています。

スケールギャップの橋渡し

分子材料に対して、物理的な応力を印加すると、発光色の変化、電気伝導特性の変化、集合様式の不斉環境の切り替わり、といった応答を示すことを、これまでに明らかにしてきました。この応答の要因は、実験者によってなされるマクロな外部刺激が、ミクロな分子配列や分子間相互作用のパターンに影響を与えた結果であるといえます。我々の研究では、ミクロな分子配列を正確に決定することにこだわり、その構造情報を基にしてマクロな刺激に対してどのような影響を受けたのかを明らかにすることを目指しています。マクロとミクロを橋渡し、応答原理の理解と未来に向けた材料設計指針の提案を目指しています。

結晶多形を示す分子の機能化

結晶多形とは、たった一つの分子が様々な結晶構造を形成する現象です。結晶構造は分子の固相における物性に強く影響を与えるため、結晶多形を示す分子は、様々な色や電子物性を示すことになります。我々の研究では、結晶多形を示すことがわかっている有機分子構造を基盤とし、様々に分子設計を適用することで発光特性の付与やソフトマテリアル化を試みます。既知の結晶多形分子から、多種多様な有機分子集合材料の創成を目指しています。